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脊髄損傷とは?症状と原因、最新治療で治る? 【千葉の訪問看護・訪問リハビリは日本訪問医療】

【千葉の訪問看護・訪問リハビリは日本訪問医療】

バイク事故のイラスト

脊髄損傷はあまり知られていませんが、現在日本には10万人以上の脊髄損傷者がいるといわれています。そして、毎年5,000人以上の新たな脊髄損傷患者さんが発生しています。 バイクなどの交通事故で首にダメージを受けたり、仕事やスポーツで高い所から落ちたりしたことが原因で起こるケースが多くあります。近年では、高齢化が進んでおり、高齢者による転倒や転落が原因で起こるケースが増加しているといえます。高齢になると、転んだ時の受けみが取れなくなったり、体の柔軟性がなくなっていることが原因の一つです。個人的には、飲酒し顔から転んで運ばれる人が多くいる気がします。冬になるとスノーボードの受傷が増えるのも特徴的です。生きている限り誰でもなる可能性がある脊髄損傷です。知っておいて損はありません。

歩道を歩いていた際に、強風で倒れてきた木製の案内板の下敷きになり負傷されたアイドルもこの疾患です

受傷経緯ランキング

  1. 交通事故 43.7%
  2. 高所からの落下 28.9%
  3. 転倒 12.9%
  4. 打撲・下敷き 5.5%
  5. スポーツ 5.4%
  6. その他 3.6%
シートベルト未着用時の事故のイラスト

そもそも脊髄ってなに?

脊椎は、背骨のことです。人の脊椎は、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、1個の仙椎、数個の尾椎が、柱のように連なって形成されています。これが、頭蓋骨を支え体幹を保持し骨盤につながって1本の背骨を形成しています。中枢神経系は、脳と脊髄の事です。身体のさまざまな部位から送られてきた情報を受け取り、適切な指令を下す司令塔の役割を果たしています。

骨格のゆがみのイラスト(真っ直ぐ)

脊髄損傷とは?

簡単に言うと脊髄にダメージを受けた状態のことです。脊髄に障害を受けると体の一部に情報が伝わらなくなります。脊髄損傷は、脊椎が骨折したり、脱臼したり、強い外力が加えられることで、脊椎が損壊されて、脊髄に損傷をうける病態です。外傷だけでなく、腫瘍、感染症、循環障害などによる脊髄の損傷も含まれます。脊髄は、一度損傷すると修復・再生されることは無く、現代の医学でも、これを回復させる決定的治療法は存在していません。

脊椎圧迫骨折のイラスト

近年話題の再生医療

札幌医科大7年間の限定で治験がはじまりました。 患者から採取した骨髄液から間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)を取り出し、培養して細胞製剤にしたうえで、点滴で体に入れる。細胞が脊髄の損傷部に自然に集まり神経の働きの回復を促すという代物です。1回分の薬液は1500万円です。脊髄損傷の患者には、非常に魅力的ですが、価格が高くで開発途上なのでこれからの開発に期待です。メディアに踊らされずに見極めが大切です。

ステミラック
効能・効果:脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善。外傷性脊髄損傷で、ASIA機能障害尺度がA、B又はCの患者に限る。薬価:1495万7755円 (一回分)

ベッドで点滴をしている患者のイラスト

脊髄損傷は大きく分けて2種類

①事故等の外傷が原因多い「頸髄損傷」「胸髄損傷」「腰髄損傷」「仙髄損傷」

②病気からなる変形性脊髄症や脊柱管狭窄症を持っている人が、比較的軽い怪我でなる中心性脊髄損

の2種類です

脊髄損傷の症状は多い

脊髄損傷の症状は非常に幅広いです。なぜなら、脊髄は多くの臓器と指令や情報のやり取りをしているからです。頸髄損傷は、損傷を受けた骨の部位以下の脊髄が麻痺症状を起こします。 便や尿などの排泄機能の障害に始まり、男性では勃起などの性機能も障害されます。運動・感覚はなくなったり、あいまいになり、自律神経系も損傷され血圧が一気に下がるようになったり、手や足がむくむようになったり、温度感覚がなくなり熱い部屋でも寒く感じるなどいろいろな症状が起きます。


図 自律神経系の全容より
出典:http://bunseiri.michikusa.jp/sekizui.htm

完全に損傷しているのか?それとも一部だけの不完全の損傷なのか?

脊髄損傷の程度により、「完全損傷」と「不完全損傷」に分けられます。

①完全損傷とは、脊髄の機能が完全に壊れた状態であり、脳からの命令は届かず、運動機能が失われます。また、脳へ情報を送ることもできなくなるため、感覚知覚機能も失われます。すなわち、「動かない、感じない」という状態となります(麻痺)。しかし、全く何も感じないわけではなく、ケガをした部位から下の麻痺した部位に、痛みや異常な感覚を感じます。

②不完全損傷は、脊髄の一部が損傷し一部機能が残った状態であり、感覚知覚機能だけが残った重症なものから、ある程度運動機能が残った軽症なものまであります。受傷後、時間がたって慢性期になると、今度は動かせないはずの筋肉が本人の意思とは関係なく突然強張ったり、けいれん(痙攣)を起こすことがあります(痙性)。
一部機能が残っている場合は、ポータブル スプリング バランサーなどの自助具によって日常生活の動作を取り戻すことができます

出典:www.hny.co.jp

脊髄損傷は合併症も多い

①呼吸器合併症(頚椎部脊髄損傷の場合)
 かなり頭に近いほうの脊髄損傷となると呼吸筋まで麻痺し、人工呼吸器がないと生きれません。首の脊髄損傷は全般にセキがうまくできなくなり肺炎を起こしやすいです
②循環器合併症
 脈が遅くなったり(徐脈)、起き上がったときに低血圧となります(起立性低血圧)。足が動かせないことから、深部静脈血栓症(エコノミー・クラス症候群)になりやすいです。
③ 消化器合併症
 腸の動きも悪くなり腸閉塞(麻痺性イレウス)もまれになることがあります。感覚がないとストレス性の胃潰瘍になっても痛くないので気づきにくいです
④泌尿器合併症
 おしっこが自分で出せなくなり、尿にバイ菌がつきやすくなります(尿路感染症)。尿路感染症が悪化すると全身にバイ菌がまわってしまい(敗血症)になります
⑤褥瘡(床ずれ)
普通の人は、正座をしていると足に血流が不足し、しびれるので無意識的に座っている格好を変えたりしますよね?しかし、脊髄損傷によって感覚を失っているとそれがわからず、圧迫された部位が血行不良となって、皮膚や筋肉などの組織が壊れてしまいます(壊死)。麻痺していると、正座はできないので、床に寝たままで背中やお尻などが圧迫され、血行不良になり壊死します。これを褥瘡といいます。

脊髄損傷は症状が多くあり特徴もあります。脊髄損傷を知り理解しておくと、看護、介護、リハビリに必ず役に立ちます

車椅子に乗って運動する人のイラスト(おばあさん)

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